こんにちは。「30sta!」ライターの小川智矢です。
転職を考えているのだけれども、入社後のギャップやミスマッチが不安で、なかなか行動に移せない……。このような人は少なくないでしょう。事前に現場を体験して、スキルやカルチャーが合うか、試してみてから転職できれば理想的です。
そんなビジネスパーソンの願望を叶えたのが、(株)体験入社が運営する「体験入社」というサービスです(https://intern-career.com/)。
代表取締役社長の松本聖司さんに、サービス内容や反響について話を伺いました。
もくじ
「雇用のミスマッチをなくす」。大手人材企業で働くなかで発案
松本さんは、キャリアデザインセンターで営業課長、リブセンスで転職サイトのセールスコンサルティンググループの統括を手がけた後、2019年11月に独立し、このサービスを立ち上げました。
「人材業界を8年ほど経験するなかで、雇用のミスマッチ問題について深く考えるようになりました。入社後にきちんと能力を発揮できるかどうか、求職者も受け入れ企業も試せるような転職サービスがあれば、離職率を低くできる。結果として、求職者側と受け入れ企業側のどちらも満足させられるのではないか。そういった考えから『体験入社』のアイデアにたどりつきました」(松本さん。以下同)
セールス同行、課題に挑戦、職場のメンバーとランチ。半日~1日にわたってリアルな職場を体験
「体験入社」の特徴は、転職をする前に、さまざまな形での就業体験ができること。実際の業務に近い体験をすることにより、スキルやカルチャーの相性を試すことが可能です。
最も多くおこなわれているのは、「半日~1日体験」。
転職希望先で半日〜1日、実際の業務に近い体験をします。
営業職での1日体験を例示すると、次のような内容です。
- 朝のミーティングに参加し、転職を希望する部署のメンバーと顔合わせ。サービスの内容や仕事の説明を受ける
- お昼は部署のメンバーや他の部署の人たちとランチをともにし、交流を深める
- 午後はセールス同行。「10件の受注を獲得するにはどんなKPIを立てるべきか」といった事前に与えられた課題の発表をおこなうこともある
「現場の人と直接触れ合いながら仕事を体験することにより、さまざまな角度から『カルチャーフィット(=会社の社風・雰囲気・同僚が自分に合うか)』や『スキルフィット(=自分が持っているスキルが、その会社の仕事で生きるか)』の確認ができます」
「リモート体験入社」なら、自宅で転職希望先の業務を体験できる
一方、新型コロナウイルスの対応策として、増えているのが、「リモート体験入社」です。
オンライン上で、転職希望先の実際の業務に近い体験ができます。
体験時間は1〜3時間ほどが主で、リアルな「半日~1日体験」よりも時間が短めです。
「リモート体験入社は、エンジニアなどWeb系の職種が多いですね。たとえば、コーディングの課題に挑戦していただき、その会社で働く複数のエンジニアがオンラインでフィードバックします。こちらは、カルチャーフィットというより、スキルフィットを確かめる要素が強いですね。会社によっては、リモートでミーティングに参加していただくこともあります」
先進的なスタートアップを中心に、さまざまな会社が募集中。営業からエンジニアまで、職種も多様
2020年6月現在で、体験可能な求人数は160以上。スタートアップを中心に、50社ほどの企業が募集中です。以下はその1例です(※現在、新型コロナウィルスの状況を踏まえ、体験入社の実施を判断しているそうです)。
◎ Chatwork株式会社( https://intern-career.com/tag/chatwork/)
クラウド型ビジネスチャットツール「Chatwork」を開発・運営。官公庁、民間企業など25万社以上に導入実績あり。「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、企業の生産性向上やコミュニケーション活性化を推進している。
募集職種:エンジニア、セールス、企画マーケティング、カスタマーサポートなど
体験方法:1日体験入社(2020年6月現在、エンジニアのみリモート体験入社の形で実施)
★体験スケジュール例
10:00 挨拶、紹介
11:00 自己紹介シートの記載
11:30 課題の共有、課題解決のための情報収集
13:00 会社の近くでランチ
14:00 課題解決の発表準備、メンバーに相談
16:00 課題解決の発表
17:00 最終面接
18:00~19:00 終了
◎株式会社Voicy( https://intern-career.com/tag/voicy/)
ボイスメディア「Voicy」を中心に、音声ソリューション事業や音声インフラ事業など、複数の事業を展開。「ワクワクする社会を作る」「音声で生活をリデザインする」ことをビジョンに掲げている。
募集職種:メディア開発、エンジニア、エンジニアマネージャーなど
体験方法:半日〜1日体験入社、職場見学
★体験スケジュール例
11:00〜11:30 オンボーディング、Voicy会社説明(Voicy MIndの説明)11:30〜12:00 本日の課題についてインプット
12:00〜13:00 課題ワークのための情報収集
13:00〜14:00 ランチ
14:00〜18:00 課題の発表準備、ディスカッション
18:00〜18:30 課題の発表
18:30〜19:00 人事との振り返り面談
19:00 終了
◎SOELU株式会社( https://intern-career.com/tag/soelu/)
オンライン・フィットネスサービスを運営。自宅にいたままリアルタイムにレッスンが受けられる。インストラクターは200名以上で、1日に100回以上のレッスンが開講中。直近の3ヶ月でユーザー数が倍になり、サービス規模が急拡大。
募集職種:エンジニアなど
体験方法:半日〜1日体験入社、リモート体験入社、職場見学
★体験スケジュール例
10:00 取締役CTOより本日の流れを説明
10:30 メンバーとの顔合わせ
11:00 カスタマーサポート体験
12:00 メンバーと一緒にランチ!
13:00 サービス改善MTGへの参加
14:00 終了
ランチやミーティング体験で社員の本音が聞けることも
本格的なサービス開始は今年2月からですが、体験入社をした人は着実に増加中。求職者の年齢層は20~30代前半が中心。本当の入社に至ったケースも出てきているそうです。
「スキルフィットよりもカルチャーフィットを確かめられて良かった、という声を多くいただいています。特に評判が良いのが、ランチやミーティングへの参加。『そういった場こそ、社員の本音が聞ける』と喜ばれています」
入社前にオン・オフの両面が見られることで、多角的な視点から企業の実像を確かめられるというわけです。
また、受け入れ企業側からも「採用後のミスマッチ防止に効果的」といった声が上がっている、と松本さんはいいます。
不安な人は「体験入社エージェント」で相談してから応募できる
求職者のなかには、どこに応募していいかわからない人や、ひとりで考えることが不安な人もいるかもしれません。そういった人のために、「体験入社エージェント」というサービスも用意されています。
「キャリアに悩んでいる方の相談に乗って、その方に合った求人への体験入社をご紹介するというサービスです。現在はコロナウイルスの影響からか、転職の悩みを抱えている人は増えているようですね」
現在、求職者のおおよそ半分くらいが「体験入社エージェント」で相談してから求人に応募しているとのことです。
転職後のミスマッチを防ぎ、自分に合った職に巡り合う
諸々のお話を伺ったあと、最後に松本社長はこう語ってくれました。
「弊社のミッションは『適職に巡り合い、仕事の喜びを感じる人を増やす』です。これが我々の意思決定の軸になっています。コロナ以降にも社会が大きく変化する可能性がありますが、変化に合わせてこのミッションを実現できる手法を随時実行していきたいですね」
転職後のミスマッチが怖く、二の足を踏んでいる人は、一度「体験入社」を利用してみるのはいかがでしょうか。
【「体験入社」のポイント】
- 転職をする前に、半日~1日間の体験入社ができる
- 能力・社風の相性を確認してから転職ができる
- 実務チャレンジやミーティング同席ができる「リモート体験入社」も用意されている
- 先進的なIT企業を中心に、多様な職種が求人中
- 不安な人は「体験入社エージェント」で相談してから応募できる
【問い合わせ先】
(株)体験入社
https://intern-career.com/