学ぶ?働く?

【地域企業と複業希望者を『共感』でつなぐ。初めての複業でも不安がないようフォロー】パソナJOBHUBの複業マッチングサービス「JOB HUB LOCAL」とは?

都会にいながら、地域に関わりたい人がここ数年増えています。
なかでも、この先のキャリアや生き方を考え、中長期的に関わることを希望する人も少なくないようです。

そんな都市部のビジネスパーソンと、課題解決や人材不足解消等を望む地域企業を「共感」でつなぐ、複業マッチングサービスが「JOB HUB LOCAL」です。

企画・運営を手がける、株式会社パソナJOB HUB ソーシャルイノベーション部 亀井 諭さんにお話をうかがいました。(Text:井上かほる)

株式会社パソナJOB HUB ソーシャルイノベーション部の亀井 諭さん

2019年より本格始動。プロジェクトは10地域で展開中

「JOB HUB LOCAL」は、関係人口の創出と地域企業の支援を目的とした、(株)パソナ内の事業をきっかけに生まれました。2018年に岩手県と連携して立ち上げた、岩手県内の企業や団体と首都圏の人材の複業マッチングをおこなうプロジェクト「遠恋複業課」を皮切りに、2019年より(株)パソナJOB HUBとして本格的に動き出しました。

遠恋複業課では、地域企業に関わりたい人がこんなにも多いのかと驚きました。企業からも、首都圏からの人材が関わることによってポジティブな効果があったというお声をいただき、今までに全国10地域以上で展開させて頂いています」(亀井さん:以下同)

松山市、鳥取県、塩尻市、静岡県……各地域にあわせたプロジェクトを企画・運営

8月27日時点で進行中のプロジェクトをご紹介します。

◎『だんだん複業団』

都市部の複業希望者と愛媛県松山市の企業をつなぐプロジェクト。マッチングするだけではなく、人材と企業との関係がだんだん近づくような、お互いに「だんだん(松山市の方言で『ありがとう』)」と言えるような関係を築くのが目的。

◎『とっとり翔ける福業』

都市部の人材と鳥取県とをつなぐ、幸せをキーワードにした「福業」。複業、プロボノ、ボランティアなど多様な関わり方のなかで、希望者自身に合った関わり方を見つけて幸せな働き方の実現を目指す。

◎『複業活動(複活)』

関東経済産業局と連携し、都市部の複業希望者と塩尻・静岡の地域企業をつなぐ。3年連続で開催中。参加者は、魅力発信や商品開発など、裁量が大きく、ワクワクするようなミッションを受けられる。

副業ではなく複業。地域と連携し企業と複業希望者のフォロー体制を整え、共感マッチングをおこなう

各地域企業の課題は異なるため、プロジェクトには若干の違いがありますが、根底には共通する3つのコンセプトがあると、亀井さんは話します。

1つ目は、「複業」として、意欲のある人材とのマッチングをすること。

広く使われている『副業』は、主に対しての副という位置づけから、お小遣い稼ぎのイメージをもたれることがあります。そうではなく、地域企業との仕事も本業の一つとして取り組んでいただける方を求めています

2つ目は「共感マッチング」であること。地域企業のビジョンに共感した複業希望者と、複業希望者の人柄や提案内容、地域に対しての想いに共感できる企業をマッチングするために、プロセスを工夫しています。

共感できるかを判断してもらうために力を入れているのが「フィールドワーク」です。

企業が複業希望者に対してビジョンや課題の説明をした後、互いにディスカッション。課題に共感した人材に、解決策や「自分だったらどのように関わることができるのか」を提案する形をとっています。じっくり話ができるよう、時間をかけておこないます。

「新型コロナウイルス感染症拡大により、現在はオンラインでの開催が多くなっていますが、毎回、活発な意見交換がなされています。単発ではなく、中長期的に関わってもらいたいと考えているので、時間をかけてディスカッションし、相互理解を深めていただいています

コロナ禍が始まる前はフィールドワークで地域訪問もおこなっていた。現在はオンラインで開催

3つ目は、地域の経営支援機関と連携し、マッチング後のサポートをおこなうこと。

どのプロジェクトも必ず、地域の商工会議所やNPO、地場の企業の方等と連携し、JOBHUBのメンバーが参加企業と複業希望者に伴走しています。

複業希望者も企業も、この取り組みに初めてチャレンジする方が多いので、不慣れな部分が多々あります。その部分を私たちがフォローすることで、不安なく取り組めるというわけです。複業希望者には契約など手続きのサポートから面談に同席。企業側には依頼する仕事内容を一緒に考え、提示できるように支援をさせていただきます

業務開始までは数か月間。地域とつながりを持ちたい、役に立ちたい、という方を歓迎

複業希望者の募集から実際に業務を開始するまでは、数か月間ほどかかります。エントリー後の流れは、以下のとおりです。

  1. 地域企業からビジョンや抱えている課題を提示
  2. フィールドワークを実施
  3. 人材から提案書を提出し、働き方や業務内容を協議
  4. 契約・業務開始

スタートして約3年、「JOB HUB LOCAL」は、現在までに150件以上のマッチングを成立させています。登録者は、次のキャリアや定年後の働き方について考えている、40代の方の参加が多いそうです。

複業による収入は業務内容で異なり、多くは月数万円~10万円程度。現地に行く場合の交通費は自費であることもあります。

高収入を目的としている方よりも、地域とつながりを持ちたい、役に立ちたい、好きな場所に関わりたいという思いの強い方が合っていると思います

思いがけない自分の価値や可能性に気づける

地域企業で複業をすることで、参加者はさまざまなメリットを得ています。なかでも多くの参加者から聞かれるのは、「思いがけない自分の価値や可能性に気づいた」ということです。

一つの会社にいると、自分が身につけてきたスキルが、外で通用するのか不安になります。しかし、複業をしてみると、思いもよらないスキルが役立つことに気づきます。

今まで特別だと思っていないことが、企業に感謝されることがあります。たとえば、Googleドキュメントでリアルタイムに議事録を作成できることを喜んでもらえる、といったことです。

視点や場所が変わると、今まで見てきた景色とは違ったものが見えてくるはずです。これからは、個人が多様な働き方を実現していく時代になっていくので、そういった自分の可能性に気づけることは大きなメリットだと思います

可能性に気づくことで、さらにできることが増えてきます。最近では、複業人材が課題解決できる仲間を集め、チームとして取り組むケースも出てきたそうです。

新たな視点の提案に企業も満足。多様な働き方を求める方は、まずエントリーを

一方、受け入れ企業の方もメリットを感じています。複業参加者とのミーティングのなかで、新たな視点に気づくことが多いそうです。

「フィールドワークでは、自社のビジョンや課題を語ることになるのですが、少人数の会社だとそういう機会は多くありません。くり返し話すことで、内容が整理され、ビジョンがわかりやすくなったり、さらなる課題が浮かび上がったりと、経営者自身も一歩成長できるそうです。

また、都会の大手企業に勤める経験豊富な方や、ベンチャー企業で新たな事業創出を担っている方等からの提案を受けることで、課題だと思っていたことが実は課題ではなく、別のところに課題があった、というような予想外の提案を受けることもあります。マッチングしなくとも、業務改善につながったというケースも多く、ご満足いただいています」

現在は地域複業マッチングをメインにおこなっている「JOB HUB LOCAL」ですが、今後はすでにスタートしているワーケーションのサービスと絡めて、個人の多様な働き方支援に力を入れていくとのこと。気になる方はエントリーをし、事務局からの情報を受け取ってみてはいかがでしょうか。

JOB HUB LOCALのポイント

  • 今までに10以上の地域の企業と複業希望者のマッチングをおこなう
  • だんだん複業団、とっとり翔ける福業、複業活動(複活)など、地域の適性に合ったプロジェクトを企画・運営
  • 地域の企業や経営支援機関と連携し、企業と複業希望者のサポート体制を整えている
  • 互いを知るためのフィールドワークをおこない、数か月間かけて共感できる者同士をマッチング
  • コロナ禍になり40代以上の参加者も増えている
  • 地域とつながりを持ちたい、役に立ちたい、好きな地域に関わりたいという人が歓迎される
  • 思いがけない自分の価値や可能性に気づける

問い合わせ先

株式会社パソナJOB HUB
https://travel.jobhub.jp/

ABOUT ME
井上かほる
北海道生まれ。北海学園大学人文学部日本文化学科卒業。 求人広告の営業職、専門学校の広報職を経て2019年よりライターとして活動スタート。 おでかけ情報誌、人材関連企業メディア、マンガレビューサイトなどに執筆、専門学校のタグライン制作や求人広告文制作など。 趣味はBリーグ観戦、落語鑑賞、映画鑑賞など観ること多め。休みの日は、妹と暮らすうさぎさんを愛でています。