主に首都圏で働くビジネスパーソンが、地方の中小企業やNPOなどで、オンラインツールを駆使して副業をする。地方企業に貢献することで、自らのリスキリング・学び直しにもつなげていく。
そんな新しいリスキリングの形を提案する書籍が、『オンリーワンのキャリアを手に入れる 地方副業リスキリング』(自由国民社)です。
この本を手がけたNPO法人G-netと株式会社オフィス解体新書が、『地方副業リスキリング』の意義や魅力、活用法についてとことん語りつくすオンライントークイベント第8回が、2025年1月15日におこなわれました。
ゲストは株式会社エンファクトリー代表取締役社長の加藤健太氏です。
今でこそ社員の副業を許可する企業は増えましたが、10年以上前は珍しい存在でした。
そんななか、2011年の創業当時から副業OKどころか、「専業禁止!!」という人材ポリシーを打ち出したのが、エンファクトリーです。
事業でも、「ローカルプレナーのための自己実現ターミナルの創造」を目指し、企業向け越境学習「複業留学」や、越境・対話型オンライン研修「越境サーキット」などのサービスを展開。企業に勤めながらパラレルワークやNPO・ボランティアなどを通じ、自己実現に向けて自ら働き方や生き方をデザインする人をバックアップしています。
そんなエンファクトリーを率いる加藤氏と、社外で副業やプロボノなどをおこなう意義や、自分も企業もwin-winになれる働き方などについて、本書の監修者である南田修司氏と、著者であり本サイト編集長の杉山直隆がトークセッションをおこないました。その模様をダイジェストでお届けします。

三重県四日市市出身、名古屋大学工学部航空学科卒。1989年リクルートに入社し、事業統括、財務経理マネジャー、経営企画マネジャーを経て、2000年オールアバウトの設立に参画、取締役最高財務責任者(CFO)に就任。2005年JASDAQ市場に上場、その際に日本で初めて知的資産経営報告書を発行
2011年、エンファクトリーを分社設立して代表に就任。人的資本経営を自社のみならず、中小企業、ベンチャーにも拡げるべく、最高人的資本責任者(CHCO)に就任。
関わる人々の「生きるを、デザイン。」を応援中!!
JR東日本、日立グループ、三重県、京都市、関東経済産業局、プロティアン協会、キャリアカウンセリング協会など講演多数


もくじ
オールアバウトから分社化し越境支援事業などを展開
杉山:
まずは健太さんが率いるエンファクトリーとはどんな会社なのか、お伺いできますか。
加藤:
インターネットのメディアを運営するオールアバウトから2011年に分社化し、誕生した会社です。大きく分けて3つの事業を展開しています。ひとつは日本全国の良いものをセレクトして販売するEC事業ですが、今回の話と関係してくるのは、専門家を派遣するプロシェアリング事業、そして越境支援事業でしょう。
僕らは、現在の会社を「遠心力と求心力」というキーワードで捉えています。最近は副業やリモートワーク、キャリアオーナーシップといった、会社からややもすると個が離れていくような遠心力が効いてくるような流れがあります。
そんななか、会社は、魅力的なビジョンやミッション、バリュー、パーパスを掲げて、従業員の求心力を高めることが必要です。そのために、経営サイドでやるべきことがたくさん増えてきていますが、僕らは以下図の右側の緑の部分を支援させていただいています。

今後は採用も育成も難しくなり、人手不足が深刻化することが予想されます。そんななかで事業を手がけていくためには、外部の人材をもっと活用したり、社員が社内だけでなく社外でチャレンジしたりして、知と経験をインクルージョンする組織にしていくことがすごく大事になってきています。その部分を僕らが支援させていただこうというわけです。
たとえば、「企業の従業員が社外に越境する」ということでいうと、自社業務をおこないながら、ベンチャー企業に週1ペースで3ヶ月間課題解決に取り組める「複業留学」と、3~5名の異業種のチームを組んでベンチャーの課題に解決する「越境サーキット」を展開しています。社内副業制度の運用や社内プロジェクトの活性化などの相談も受けています。
一方、個人の越境をサポートするために、複業留学のプロセスとほぼ同様のサービスを個人向けにした「ベンチャー留学」というサービスも手がけています。こちらは経産省のリスキリング補助金の事業対象になっていて、参加される方は独自キャンペーンも足して無料で参加できます。基本的には転職を考えていることが前提ですが、本当に転職するかどうかはその方の自由です。
なぜ「専業禁止!!」を掲げたのか?
杉山:
エンファクトリーさんは、2011年の創業当初から「専業禁止!!」というちょっと変わった人材ポリシーを掲げていますね。
加藤:
はい。別に副業をやらなければいけないということではないんですが、やりたかったらどんどんやればいいじゃん、というスタンスです。
なぜ「専業禁止!!」を掲げたのかというと、弊社は「生きるを、デザイン。」というコーポレートメッセージのように、これからは一人ひとりが自分の人生のデザインをして主体的に生きていくことが大事と考えており、それを社内でも推進するためです。
その考えに至った背景の一つは、バブルが弾けた後、会社がどんどん潰れていき、いろんな会社がリストラを始めたのを目の当たりにしたことです。これからは個人と会社の関係性がガラッと変わっていく、それならその中で好きなことをやった方がいいよね、と考えたのですね。
だから、弊社は、当初から片足を社外に出してパラレルワークをしている人がいましたし、辞めていく人も、一番多い理由は独立起業でした。
最近は会社を卒業した人を「アルムナイ」と呼び、そうした人と会社がパートナーシップを組むということが言われていますけれども、僕らは昔から「お互い連携した方が得だよね」ということで、辞めた人や外部のパートナーを含めて緩やかにつながり、お互いいいところを使い合おう、という関係性でやっています。
「相利共生(そうりきょうせい)」という考え方のもとで、社内の組織や社外との連携をメンテナンスしています。
変わった会社だけど上手くやっているよね、ということで、このイベントの第1回目にゲストで登壇された石山恒貴先生が著した『越境学習入門』でも少しご紹介いただきました。

「専業禁止!!」はデメリットゼロ。副業解禁のリスクは過大評価されている
杉山:
「専業禁止!!」というポリシーを掲げて、14年間会社を経営されてきたわけですが、副業を奨励することで、会社や従業員にどんなメリットやデメリットがありましたか。
加藤:
メリットはいろいろあるんですけど、逆に言うとデメリットがほぼないですね。
企業の経営陣から副業解禁の相談を受けると、よく聞かれるのが「本業に身が入らなくなるのでは」「辞めちゃうのではないか」「会社にとって何のプラスになるの」です。一方で、人事からは「副業を解禁したら、過重労働になる」という声がよくあがります。多分、南田さんもよく言われるんじゃないかと思うんですけど。
でも、正直いって、全部過剰反応というか、リスクを過大評価していると思います。そんなリスクはありません。
杉山:
リスクどころか、メリットばかりだというわけですね。
メリット1:外部のパートナーを上手く活用できるようになる
加藤:
はい。社員の副業を奨励する1つ目のメリットは「外部のパートナーを上手く活用できるようになること」です。
社内のメンバーの多くが、普段から社外のパートナーとやり取りしていないと、いざ連携しようとした時に、ギクシャクしがちです。
しかし、僕らは社内のメンバーの6~7割が副業をしているので、社外の人たちとのやり取りに慣れています。だから、本業で社外のパートナーと仕事をするときも、コミュニケーションや物事の仕切りがスムーズですね。
僕らは小さな会社なので、外部の力をどんどん活用する必要がありますから、慣れているメンバーが多いのは大きなメリットです。
メリット2:従業員一人ひとりがミニ経営者になることで、胆力が磨かれる
加藤:
2つ目のメリットは「従業員一人ひとりがミニ経営者になることで、胆力が磨かれること」です。
副業をするにあたって個人事業主の登録をしたり会社を設立したりする人たちも珍しくないのですが、そうして活動していると、ミニ経営者となっていくので、目線が広がるんですよ。
お金回りや人回りのことを切り盛りしたり、あるいはお客様にサービスを提供してアフターケアまでしたりしていると、トラブルが起きる場面も出てきます。クレームを受けてぐっと耐えなきゃいけないことも出てくるでしょう。そういうなかで胆力が磨かれるのです。
ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんけど、ミニ経営者の目線は、ずっと会社勤めをしていて上意下達の風土のなかで仕事をしていると、まず身につきません。それが身につくことは、個人にとっても会社にとってもすごくプラスだと思います。
メリット3:小ネタの吸い上げによって、新しいビジネスや取引などのヒントやきっかけが増える
加藤:
あとは「新しいビジネスや取引などのヒントやきっかけが増えること」というメリットもあります。
副業をしているメンバーは、社外でいろんな業態や業種の人との接点を持つので、いろんな小ネタを拾ってくるんですよ。それが、会社にとっても新しいビジネスのアイデアが生まれたり、新たな取引先を開拓したりすることにつながるんです。
だから、僕らは副業の内容をみんなにオープンにするようにしています。
具体的には、月1回、社内のSNS(チームランサー)に、副業でどんなことをしたのか、どんな失敗をしたのかを報告してもらっています。
また半年に1回、「エンターミナル」というイベントを開催し、副業しているメンバーや、うちの会社を卒業していったアルムナイの人たちを呼んで、ちょっとしたパーティーをしながら、最近の活動や失敗したことなどのピッチをしてもらいます。今やさらけ出すのが当たり前の文化になっているので、隠したりしません。
こうしてオープンに話していると、「これとこれが繋がるのでは」と気づくことがあります。そこから新しい取引が始まったり、新しいビジネスのヒントになったりするわけです。これはもう、会社にとってメリット以外の何者でもありません。
杉山:
副業で気付いたことや失敗したことなどを共有し合うのはすごくいいですね。
加藤:
そうなんです。ただ「それいいですね」と皆さん言うんですけれども、ほとんどの会社さんはやらないですね。会社が大きいとやりにくいのかもしれないですけど。
でも、堂々とやった方が双方にとって絶対プラスだということは、弊社で実証実験をしているので、自信を持って言えます。
南田:
僕らも地域の事業者さんと話していると、「副業人材を受け入れるのはいいけど、うちで解禁するのはなぁ」みたいな声を多く聞きます。「やっぱり辞められちゃうんじゃないか」って、皆さんおっしゃいますね。「ただでさえ本業で人が足りなくて困っているのに、ますます時間がなくなっちゃったら大変だ」という話になります。
加藤:
そう言われた時に、僕はいつもこう言うんです。例えば子育てはすごく時間を取られるじゃないですか。目を腫らして寝られなかったことはいくらでもあると思います。あるいは、一晩中ゲームをやっている、というように趣味で夜の時間を使っている人もいるでしょう。それと副業は何が違うんですかと思うんです。仕事以外のプライベートな時間にしている、という意味では同じなのに、なぜ子育てや遊びは何も言われずに、副業だけこんなに言われるんだろう、と。そこは変だなと思いますね。
「会社に人材が合わせる」から「人材に会社が合わせる」へ
南田:
一方で、企業が副業人材を受け入れるメリットも大きいと思います。
たとえば、あるメーカーさんは、5年ぐらい前から社長直属で副業人材を受け入れ始めて、新しいことに挑戦しています。社員の反応は、最初は「社長もよくわからないことやっているな」程度だったそうですが、副業人材がいることにだんだん慣れてきて、最近では「製造現場でも副業人材を受け入れられるのでは」という提案が来て、試したそうです。
そうしたら、今、製造現場の約半数が超時短で働く人たちになったそうです。しかも、その人達のほとんどが、地域にいらっしゃった方々。子育てをしている方や普段フルタイムで働けない方が「超時短で働けるなら」と求人に応募され、今や人材採用に困っていないそうなんです。
加藤:
僕らもECの事業をしているので、運営するなかで細々とした事務仕事があります。そこでアルバイトが必要になり、コロナ禍に、あるサイトでアルバイトを募集したら、びっくりするぐらい優秀な人たちが応募に来たんですよ。ピカピカの経歴で、本当に時給1,200円、1,300円で働いていただけるのか、という人ばかりでした。
南田さんがおっしゃったように、今までそういうような方が埋もれていたんですよね。優秀なのに、働きたくても会社に出社しなければならず断念していた方が、リモートワークが可能になったことで、働けるようになった。いまも僕らの会社を支えてる方々は、時短勤務の主婦の方々が多いです。
南田:
刃物メーカーの経営者さんは「実は地域の中に働ける人がたくさんいたんだ」と気づくと共に、こんなことをおっしゃっていました。
「今までは会社の仕組みに人材に合わせてもらっていたけど、人材に会社が合わせる仕組みにしたら、どんどんいろんな人が来るようになった」と。
そこの意識を大きく変えたとおっしゃっていまして、これはすごく大事なことだなと思いました。
会社と個人の思惑を合わせるのは魔術でもないと無理
南田:
副業や兼業が広まるかどうかは、企業が社員を送り出すことを容認するとか、副業人材を前向きに受け入れるといった企業のスタンスが重要な要素だと思います。健太さんは先駆者として社員の副業に関するチャレンジをされているわけですが、ここ10~15年タームで見ると、世の中はどのように変わってきたと思われますか。
加藤:
エンファクトリーを設立した後、実は僕らは副業の解禁がもっと早いスピードで進むと思っていたんですよ。でも、全然そんなことなかったですね。
もちろんいろんな要素がありますが、企業側が全然進んでいないというのがあると思います。経団連の調査によると、大企業の8割が副業解禁に乗り出しているそうなんですが、そのほとんどが消極的解禁なんですよね。「別に禁止していません」みたいな感じ。だからほとんど変わっていないんです。意思ある人や企業から少しずつ変わってきているなという感覚はありますけど。
杉山:
なるほど。
加藤:
社員の副業を認めるには、会社の求心力を作ることが必要ですからね。
僕らの会社でも、よくも悪くも個が自立していくので、コロナ禍でリモートワークが増えていた頃には、ちょっと会社よりも個人寄りに行き過ぎているかな、と感じたことはありました。
そういうとき、最初に「求心力と遠心力」の話をしましたけど、会社の求心力をどうやって作っていくのか、どうやって社員との接着剤を作っていくのかは結構腐心しています。「うちの会社はどういうことを成すためにみんな集まっているのか」をどうやって社員に浸透させ、まとまりを作っていくか、というのは正直あります。
南田:
組織の目線で見ると、「その人の成長の観点からいっても、今は副業よりも、本業に集中するときなのにな」と思うこともありませんか?
キャリアのポートフォリオを多様化することでいろんな立ち位置の自分を持っていろんな経験を積んでいくという話と、一つの事業に対してコミットメントして高いオーナーシップを持って事業を推進していくという話は、別に対比するものではないと思うんですけど、「今は一つの事業に集中するところだよな」ということがあると思うのです。そのバランスはどう取ればいいと思われますか。
加藤:
そう思うことは、めっちゃありますね。
正直、手が出せない。仕方がない、と思っています。
もちろん会社からお給料をもらってやっている仕事がおろそかになっていれば、「今集中しないとまずくないか」みたいな話をする時はありますが、基本的なスタンスは言っても仕方がないと思っています。
「本当はこうしたほうがいい」というのは、僕だけの目線だけなのかもしれませんしね。本人にとってもこの会社にとってもちょっと寄り道なのかもしれませんが、それはどの時間軸で見るかにもよると思うんですよね。結局はプラスに働くのかな、と思うこともあるので。正解がないから「今、絶対やるべきだよ」みたいな話はしませんね。そこは、もう自分の中で気づいてもらうしかない。
何人かの社員に「うちの会社、学校みたいですよね」と飲み会で言われたこともありますが、本当、半分学校みたいなものです。
南田:
このイベントの第4回でご登壇いただいたリクルートワークス研究所の古屋星斗さんが、先日発刊された『会社はあなたを育ててくれない』で、「寄り道と近道のキャリア」ということを書かれていました。一見寄り道に見えることがその人のキャリアをぐっと伸ばしたり、反対に近道だと思ってたことが実は遠かったりするという話です。確かに会社が思う成長ステップと、個々人の多様なキャリアの成長のあり方は、考え方として違うわけですよね。
加藤:
そうですね。その2つを合わせるのは本当に魔術がないと難しいですよ(笑)。どうやって合わせるんだみたいな。
大企業だと、何人か合わない人が辞めても、事業はなんとかなりますが、僕らぐらいの中小企業はそうはいかないので非常に難易度が高い。ますます人の採用も厳しくなってきていますし、経営者は大変だと思います。
変化への対応力が磨かれる。勝つのは「体を動かす仕事」
杉山:
健太さんから見て、個人が副業や兼業をする意義は何だと思われますか。先ほど「ミニ経営者になる」という話もありましたが。
加藤:
お金を稼げるとか、自分のキャリアが構築できるという話もありますが、僕が一番大きな意義だと思っていることは、「変化への対応力が磨かれること」です。
変化への対応力は今の時代、あらゆる人にとって必須なスキルだと思っています。完全にアウェーなところに行って、自分の中にケースが増えてくると、何が起きても「どうとでもなるな」ぐらいに思えるようになるんですよね。
こういう対応力が身についてくると、あまり怖いものがなくなってきて、チャレンジブルに変容していける。何かする時に一歩目が出やすくなると思っています。
杉山:
ミドルやシニアになるほど変化に対応しにくくなると言われますが、副業はそういうマインドを打破するのに役立つというわけですね。
加藤:
ミドル・シニアの方々は、顧問やコンサルティングをやたらやりたがるじゃないですか。でも、僕はあの手の仕事は全部AIに置き換えられてきませんか? と思っています。あっという間、あと数年ぐらいですよ。
これから勝つのは、体を動かす仕事だと思います。たとえば配達でも介護でもいい。体を動かす人が少なくなってきていますから、相対的に経済価値が上がってきていますよね。
下手に講師や顧問をしてAIと競い合うよりは、体を動かす方が、体も健康になって、めちゃめちゃいいんじゃないでしょうか。地方でもそういう仕事はたくさんあると思います。
南田:
先日、岐阜の醤油蔵元の経営者さんと話していたんですけど。健太さんもご出身なのでおわかりかと思いますが、東海地方はたまり醤油を作っているじゃないですか。蛇口開けたら出てくるわけでなく、掘って圧縮するみたいなことをやらなきゃいけないわけですが、その「味噌掘り」をする人がいないそうです。とにかくすごい体力もいるし、筋力も使うので、一回入ると筋肉痛で大変らしいんですが、逆に副業でそういうことやってみたい人は世の中に絶対いそうだな、と思うんですよね。
加藤:
絶対いると思いますね。
南田:
そういう会社と人をつなげられると面白いですよね。
加藤:
面白いですね。副業の経済的な対価も、そっちの方が上がっていく気がします。
仲間を作ると、リファラルで「こういう話があってさ」と誘われる
杉山:
最後に、健太さんと南田さんから読者へのメッセージをいただけたらと思います。
加藤:
僕はめちゃめちゃ地方のことを知っているわけじゃないんですけど、地方でチャレンジしたい人は結構いる一方で、受け入れ側がまだまだ足りないようですね。
南田:
圧倒的に足りないですね。
加藤:
僕らは京都の事業も手がけているんですが、受け入れ側の企業に指南をするようなものが作れると良いのではないか、と改めて思いました。事業者視点になっちゃいましたが、その辺を解消できるお手伝いができたらいいだろうなと思いましたね。
副業を地方でやりたいという人はどんどん増えてきていると思うので、やりたい人はどんどん手をあげればいいと思います。仲間を作れば大体、仲間からリファラルで「こういう話があってさ」みたいな話も来ますからね。気の合う仲間を作っていく感覚でいろいろ取り組まれたらいいんじゃないかな、と思います。
南田:
変化に対応するレジリエンスの話がありましたが、それを聞いてふと思い出したのが、15年前に大学生のインターンシップをしていた時に、メガベンチャーの役員さんが、「安定って何?」と言われていたことです。どこに所属しているかに安定を求めるよりは、どこに行っても自分が安定している状態である方がいいよね、と。
もちろん皆が皆、副業をきっかけにそういう状況になれるかというとそうではないと思いますが、そこで価値を発揮できる方、飛び抜けて何かのパフォーマンスが出せるというより、そこで役割を持ってちゃんと貢献している方は、まさに関係性の中で、「あの人最近何している」みたいに話題に上るようになります。
加藤:
話に出ますよね。
南田:
一昨日も「この件で声をかけたいんだけど、あの人最近時間ありそう?」「電話かけてみたら?」みたいな話がありました。まさに関係性の中で仕事の相談が来るような自分になると、その人自身が変化に対応できるようになり、安定していくのではないか、と改めて思いました。また別の機会でもっと掘り下げたいです。
加藤:
またぜひ話しましょう!
杉山:
本日はありがとうございました!

※さらに「地方副業」「プロボノ」のポイントを詳しく知りたい方は、『オンリーワンのキャリアを手に入れる 地方副業リスキリング』(杉山直隆/著、南田修司/監修、自由国民社)をぜひご覧ください。
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