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人事領域の経験やノウハウが他社の事業で活きる。なぜパラレルワーカーシェアリングサービス「CORNER」に人が集まるのか?

会社員として本業を持ちながらも、1つの会社に縛られず、複数の会社で仕事をしたい──。

昨今、そうしたパラレルワーカーと企業をつなぐためのマッチングサービスが増えています。

その中で、コーナーが提供している人事パラレルワーカーシェアリングサービス「CORNER」は、企業経営において重要な「ヒト」に焦点をあて、採用、制度設計、組織・人材開発、労務といった人事領域に特化したサービスです。

広報担当の佐々木さんに、サービス立ち上げの背景や詳しい内容についてお話をうかがいました。(文:山田優子)

人事スキルを持った30代以上が多く集まる

2019年6月に「CORNER」が誕生したきっかけは、代表である門馬貴裕氏の前職での体験にありました。

「新卒で入社したインテリジェンス(現パーソルキャリア)で約11年間、数多くの企業の人事戦略や採用支援に関わってきた門馬は、『経営と人事は密接に関係しているにも関わらず、企業規模やフェーズによっては専任人事不在のケースもあれば、間接部門という捉えられ方からそもそもポストが少ないケースもあり、絶対数が少ない』と感じていました。

また、当時は日系企業の多くはジョブ型ではなくメンバーシップ型だったこともあり、短期間で世の中に人事が大幅に増えることが考えにくい状況でした。

そこで、人事領域におけるスキルと経験を持つ方々が、パラレルワークのような形で、複数の企業で働くことができる仕組みをつくることができたら、多くの企業の人・組織の課題解決に貢献できるのではないかと考えました。この着想から『CORNER』は生まれたのです」(佐々木さん:以下同)

「CORNER」を生み出した、コーナーの門馬貴裕代表

サービス誕生から約4年。2023年3月現在、登録しているパラレルワーカーは7,000人を突破しました。

「『CORNER』にご登録いただいている層として最も多いのは、柔軟な働き方が可能な個人事業主・フリーランスの方々ですが、最近では正社員として働きながら並行して活動する方々も増えています。

自分たちの専門分野や得意分野を活かし、パラレルワーカーとして活躍されています。登録者の年齢層は、30代が全体の約50%を占めております。中途採用や新卒採用をはじめ、人事制度、労務、人材開発などの業務経験を持たれた方が、ご登録くださっています」

スタートアップから上場企業まで。人事領域に関する多様な仕事が集まる

7,000人以上の登録者が集まる理由は、多様な仕事が集まっているからでしょう。

利用する企業は、数人で経営しているようなスタートアップ企業から数千人以上の従業員を抱える上場企業までさまざまです。

「人・組織の課題は業界に関係なく存在します。その範囲は採用、労務、制度設計、組織・人材開発など幅広くあります。

例えば、事業を加速させるために”ヒト”を採用したい場合、経営戦略に基づいた採用戦略、計画作成、媒体選定、求人作成、面接、採用決定までのプロセス全体を管理する必要があります。そして新たに入社した社員に対する研修や教育も重要です。また、事業成長に合わせて社員の人事考課やキャリアパスの設計、報酬設計なども人事の重要な役割です。

例に挙げさせていただいただけでも、人事領域に関する業務は広範で多岐にわたり、それぞれが事業戦略に直結しています。このような多岐に渡る人・組織の課題を解決し前に進めていくには、専門的な知識やスキル、経験が求められます。

本来であれば、自社の人事部メンバーを採用して育成したい。けれども、人材育成には、入社してもらってから育成まで時間がかなり掛かってしまうため『即戦力となるプロ人材を起用したい』という理由で、私たちのサービスを利用されるケースもありますね」

プロジェクトは、次のような案件があります。

  • 新卒採用や中途採用などの採用支援
  • 人事制度の設計や運用
  • OKR(目標管理ツール)の導入
  • 組織開発
  • 研修・コーチングなど人材開発の支援
  • 給与計算や助成金申請などの労務

「最近では、ジョブ型雇用の移行へ向けて『人事制度を全面的に刷新したい』といったご相談だけでなく、潮流になっている人的資本経営の文脈で、上場企業に対し人的資本経営の情報開示項目が義務化された背景から、『人的資本情報の開示に向けてどのようにデータ分析を行えば良いか』といったプロジェクトもスタートしています」

プロジェクトの期間は3ヶ月から半年ほどが多いそうです。

「プロジェクトによって案件の長さは本当にさまざまですが、例えば、人事制度のプロジェクトになると1年間にわたって取り組むケースもあります」

マッチングのパターンは2通りあります。サイトに掲載された求人に自身で応募するだけでなく、「CORNER」から直接連絡が来ることもあります。「CORNER」に登録をすれば、人事領域のスキルや経験を活かすチャンスが巡ってくることがあるわけです。

コンサルタントがプロジェクトに伴走。トラブルリスクが低い

マッチングサービスではワーカーと企業側とのミスマッチが生じるケースがあります。

「イメージしていた業務内容と違った」「プロ人材に期待していたが結果が得られなかった」などのミスマッチを防ぐために、「CORNER」ではどのような工夫をしているのでしょうか。

「『CORNER』ではプロジェクトを伴走する体制を取っています。人事領域のプロジェクト業務に理解が深いコンサルタントが、企業とパラレルワーカーの間に入って企業側の課題を整理し、優先順位を決めてから要件定義を行います。

次に企業の課題解決に向けて、コンサルタントはスキルだけでなく受け入れ企業のカルチャーに合ったパーソナリティも含めて最適なパラレルワーカーをアサインします。

そういったプロジェクト組成により、パラレルワーカーと企業側との間でトラブルが起きるリスクはほとんどありませんね」

企業側の顧客満足度は92.1%、継続率は93.8%(2021年1月〜12月実績)という高い評価を受けています。

「プロジェクトの成功を目指し、企業・パラレルワーカー・コンサルタントの三者が一丸となって動いていることが大きいと思います」と佐々木さんは語ります。

再委託モデルで面倒な契約周りもスムーズに

「CORNER」は再委託モデルを採用しています。再委託モデルとは、企業からCORNERが一度業務を受託し、それを「CORNER」からパラレルワーカーに委託する仕組みです。

「このモデルを採用した背景には、企業側もパラレルワーカー側も初めて業務委託者を活用する方も多いことがあります。そうした方のためにプロジェクトマネジメントとして『CORNER』が入ることで、目的のすり合わせやプロジェクトマイルストーンの設定など、齟齬がなくかつ効果を最大限にするためのサポートができます。

再委託モデルには、それ以外にもパラレルワーカーにメリットがあります。それは契約を極力安心かつスムーズに締結できることです。
具体的には、企業の信頼度が一定『CORNER』を通しているので、報酬周りのリスクが少ない状態であること。パラレルワーカーと『CORNER』との契約になるため、企業が複数社あっても契約書のベースは一緒となり、確認工数等が大きく削減されます。プロジェクト開始までスムーズに進めることが可能です」

「コンサルタントのフォローで働きやすい」パラレルワーカーからの声

パラレルワーカーからは「コンサルタントの方々のフォローアップのおかげで働きやすい」といった声が届いているそうです。

「パラレルワーカーとしての働き方に興味のある方は、ぜひ『CORNER』に登録してみてはいかがでしょう。きっと新しい世界が広がると思いますよ」

今の会社を辞めずに、自分の経験を活かして社外で挑戦してみたい。企業のコアとなる採用・人事領域で自分の力を試してみたい。そんな想いを抱いている人にとって「CORNER」は最適な環境だと言えそうです。


(問い合わせ先)
CORNER
https://pws.corner-inc.co.jp/service-pw/

ABOUT ME
山田優子
神奈川県生まれ。大学卒業後、百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しいろいろな業界を渡り歩くも、プロジェクトベースの働き方に憧れて2018年にフリーライターへ転向。ビジネス系の取材記事制作を軸に活動中。一児の母。毎日欠かせないもの、珈琲と山椒。