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【知人が働くITベンチャーで副業】ありそうでないマッチングを生み出す「YOUTRUST」の先進性

こんにちは、「30sta!」編集長の杉山です。

「○○さん、うちの会社で一緒に働きませんか? 副業でもOKです」

突然、注目のベンチャー企業に勤める友人・知人にそう誘われたら――、
皆さんはどう思いますか?

見ず知らずの人から言われたら怪しむかもしれませんが、知り合いや近しい人からの誘いなら、そんなに悪い話ではなさそうです。副業でもOKなら、ちょっとやってみようか、と思う人は少なくないでしょう。

ユーザー登録しておくと、そんな誘いが実際に受けられるサービスが、注目を集めています。

2018年4月にスタートした“キャリアSNS”、「YOUTRUST(ユートラスト)」(https://youtrust.jp/です。

FacebookやTwitterを活用し、副業・転職したい人と採用したい知人をつなぐ

このキャリアSNSの最大の特徴は、

「以前からつながりのある友人(もしくは、二次のつながりである友人の友人)から、副業・転職のオファーが受けられる」ことです。

言い換えると、オファーは、直接の友人と何らかのつながりがある人からしか届きません。

なぜそんなことができるのか? 仕組みをご説明しましょう。

YOUTRUSTのトップページ

まず、YOUTRUSTには、次の2者が登録できます。

・副業先や転職先を探している人(個人アカウント。無料)
・企業の採用担当者(採用アカウント。有料)

登録するときに必須なのが、フェイスブック(またはツイッター)のアカウントです。

登録すると、YOUTRUSTのユーザーのうち、すでにフェイスブック(またはツイッター)で友達になっている人のリストが表示されます。YOUTRUSTでもつながりたいと思ったら、改めて友達申請をします。

その申請が許可されると初めて、お互いがプロフィールページを見られるようになり、採用担当者は個人に副業や転職のオファーを出せるのです。

採用アカウントの人は、友達だけでなく、友達の友達にもオファーを出せる仕組みですが、いずれにしても、オファーは、直接の友人と何らかのつながりがある人からしか届きません。

YOUTRUSTのトップ画面。メンバー募集情報が見られるだけでなく、自分も投稿できる

「1回同棲してから結婚するかどうか考えられる」の仕事版

プロフィールページには、現在の転職・副業それぞれに対する意欲を

「積極的に探している」
「検討している」
「よい案件があれば」
「全く考えていない」

の4段階で示す機能が用意されています。

「積極的に探している」「検討している」にしておけば、自分の本気度を示すことができ、オファーが舞い込む確率が高まります。

プロフィール画面。副業や転職意欲の他、友達関係も見られる

オファーを受けた後、双方の条件が合えば、副業スタートです。

副業で試してから正社員として入社するのも、最初から正社員として就職するのもOKです。

今までの転職は、結婚でたとえれば、何度かお見合いをして、一緒に生活をすることなく籍を入れる、という状態でした。これはけっこう怖いですよね。そうではなく、1回同棲してから結婚するかどうかを考えよう。YOUTRUSTなら、それができます

と話すのは、このサービスの考案者であり、(株)YOUTRUSTの社長である岩崎由夏さんです。

このサービスの考案者である、(株)YOUTRUST社長の岩崎由夏さん

「知人といっても、会社員は誘いづらい」。その流れを変える

このサービスを発案したきっかけの一つは、「副業などで試してから転職する」人が、岩崎さんの周りにたくさんいたことです。

会社を辞めて、フリーランスの状態で、知り合いの会社を2~3社手伝い、一番面白かったところに正社員で入る。そういう転職をする人が、優秀な人にすごく多かったのです。この方法なら、社内の状況がよく分かってから入れますし、知人の人間関係があるので会社に馴染みやすく、失敗が少ない。そういう転職の流れが来ているのかな、と思いました」(岩崎さん。以下同)

もっとも、その転職の仕方がしやすいのは、会社を辞めてフリーランスになった人だけ。「会社に勤めている人に対して、友人からオファーが来ることは意外と少ない」と岩崎さんは言います。

「理由は、会社勤めをしていると、『副業したい』『転職したい』という思いを、公に言いづらいからです。そういう思いがあることがわからなければ、採用する側も誘いにくいものです。前職のつながりなどがあれば、『前職に迷惑をかけたくない』などと遠慮する気持ちも出てくるでしょう」

岩崎さん自身も、前職のDeNA時代に、「小さなスタートアップで挑戦してみたい」と考えたものの、その気持ちを一部の友人にしか言えなかったそうです。

「スタートアップに勤める知人はたくさんいたのですが、SNSに書くわけにもいかないので、転職意欲を伝えることはほとんどできませんでした。しかし、リスクを抑えて転職するには、知人の働くスタートアップに転職するのが一番良い。その経験から、『自分が副業・転職したい気持ちを、知人にこっそり伝えられる仕組みがあればいい』と考えたのです

累計200社以上のネット系ベンチャーが登録。マッチングも3ケタ成立

サービス開始から2年が経過した今では、個人アカウントの登録は1万人を超えています。20代後半が最も多いですが、30代もいるそうです。

採用アカウントも、ネット系ベンチャーを中心に、累計200社以上が登録しています。DeNAやheyなどの有名企業も利用しています。

新型コロナウイルスの影響で、オフラインでの採用選考活動やオファーができないことを踏まえて、正社員採用だけでなく、副業社員の採用をはじめる会社も増えてきました

マッチングが成立した件数は、報告があり確認がとれているだけでも150件以上。副業が中心ですが、副業をきっかけに正社員になった、という人も出てきているそうです。

副業だけで終わるのではなく、面白いご縁ができて、転職につながった、という方を増やせるといいなと思っています」と岩崎さん。

「何かキャリアアップになるような副業をしたい」という人も、「副業をきっかけに転職につながれば」という人も。登録しておけば、思わぬチャンスが巡ってくるかもしれないサービスです。

【YOUTRUSTのポイント】

  • 友人、もしくは友人の友人から副業・転職のオファーが受けられる
  • フェイスブック(またはツイッター)のアカウントを利用し、「知人」をつなぐ
  • 個人アカウントは無料で利用できる
  • 累計200社以上のネット系ベンチャーが登録
  • 150件以上のマッチング実績。副業を足がかりに、正社員になった事例も

【問い合わせ先】

(株)YOUTRUST
https://youtrust.jp/

ABOUT ME
杉山 直隆
1975年、東京都生まれ。専修大学法学部在学中に、経済系編集プロダクション・カデナクリエイトでバイトを始め、そのまま1997年に就職。雑誌や書籍、Web、PR誌、社内報などの編集・執筆を、20年ほど手がけた後、2016年5月に、フリーのライター・編集者として独立。2019年2月に(株)オフィス解体新書を設立。『週刊東洋経済』『月刊THE21』『NewsPicks』などで執筆中。二児の父(11歳&8歳)。休日は河川敷(草野球)か体育館(空手)にいます